スペイン、そして能登から

スペインと能登のことを主に書いています。

¡España maravillosa!  その2

スペイン歴史・文化のクラス

 

上智大学スペイン語講座を修了した後、講座で教えていた先生が個人でクラスを開いていることを知った。歴史や文化についてのクラスだという。

とりあえず、フットボールを見に行くくらいなら、これで大丈夫と思ったが、何を思ったのか、行ってみることにした。

講座の内容は、スペイン国営放送が制作している教材を使って、ネイティブの音声を聞き、受講者がみんなでリーディングする。その後で先生が内容を説明するというラクチンなものだった。最初のテーマは何だっか忘れてしまったが、映画監督のアルモドーバル、作曲家のファジャ、絵画ではベラスケス、ピカソ、ダリ、ゴヤ、各州の特色や市民戦争、レコンキスタなどの歴史と何でもありだった。

それだけでやめておけばいいのに、気が付けば、別のクラスまで通っていた。こちらは歴史や文化関係の書籍を読むというクラスで、絶対一人では読めない難しい本を先生が解説してくれた。時には新聞の記事を教材にすることもあった。

このクラスで学んだスペインの歴史や美術についての知識だが、どうやら日本では学ぶことが難しいレベルのものらしく、スペイン旅行の際や、セルバンテスセンターのクラスで驚かれることがある。

そうだろう、習っている本人も、一体これは何だろうと思いながらやっているのだから、他人が見ればそう思うだろう。

 

同時にスペインに関する日本語の本もかなり読んだ。歴史から小説、グルメに旅行記、何でもありだった。既に多くを処分したが、どうしても捨てられないものがある。それは、大漫画家・青池保子先生の「アルカサール 王城」だ。スペインの前身であるカスティージャ王国のペドロ1世の人生を描いた作品だ。フランスの作家、「カルメン」の作者として有名なメリメの作品をベースにしているとのことだが、キャラクターがそれぞれに素晴らしい! 連載していた雑誌の廃刊などで中断が10年以上もあり、一体どうなることかと思ったが、完結。先生のこの作品への深い愛情を感じる。

他にも、映画やドラマ、最初はスペイン語の勉強の一環のつもりが、「スペイン」という世界観にどんどんハマっていく。映画はアルモドーバルを筆頭に、次から次と好きな映画が増えていく。ドラマはNHKで放送された「情熱のシーラ(El tiempo entre costuras)」やCSで放送された「イサベル」「カルロス」などがあるが、その数は極めて少ない。フランスなどに比べて世界史での扱いも少ないわけだから、それほど話題性もない・・・

普通なら、ここで出てくるのは「フラメンコ」「スペイン料理」というジャンルだと思うが、「フラメンコ」は全く興味がない。「スペイン料理」というジャンルでも、バールでの飲食が主なので、星がいくつもついたレストランには無縁だ。現在日本でいうところの「スペイン料理」は全くわからない世界だ。唯一、国営放送の「マスターシェフ」という番組が好きだということ。この番組では星付きのレストランのシェフが素人料理人と一緒に番組を作り上げていくというもの。お正月の子ども版では、放送の翌日の全国ニュースでも優勝者が取り上げられる。

 

きっかけはなんでも、これだけ続くということは、よほどご縁があったに違いない。

今も歴史・文化のクラスやセルバンテスセンターのクラスで学び続けているので、また新しいご縁が生まれるかもしれない。